巨額の外貨買い・人民元売り介入

巨額の外貨買い・人民元売り介入

中国のマネーサプライ増加の背景には、元安誘導があると考えられます。

 

中国には、輸出競争力を主因とした経常収支の黒字と中国の低賃金と高成長を狙った対内直接投資によって、毎年多額の外貨が流入しています。これに対して、中国の通貨当局は、元高を回避するために、巨額の外貨買い・元売り介入を実施してきました。

 

07年以降の経常収支と直接投資の黒字による資金流人は累計で、1.7兆ドルに及びます。また、同期間実施された為替介入等によって増加した外貨準備額は1.6兆ドルとなり、両者は、ほぼ均衡していることから、経常収支と直接投資の黒字による元の急激な上昇を回避するために、多額の為替介入が実施されてきたことがわかります

 

中央銀行が、外貨買い・元売り介入を実施すると、介入と同額の元資金が市中に供給され、マネーサプライが増大してしまいます。これに対して、中央銀行は、いわゆる債券の売りオペレーションを実施して、市中から資金を吸収し、マネーサプライ増大の回避を図ります。しかし、中国では、為替介入が巨額に上るうえ、国内債券市場が未成熟のため、売りオペレーションによって、十分に資金を吸収できていない結果、マネーサプライが増大し、過剰流動性バブルが生じているのです。

 

すなわち、過剰流動性バブルは、国際収支の黒字と元高回避のための外貨買い介入によって、引き起こされているとみることができます。